ヤドリギとヒレンジャクの美味しい関係

冬になると急に見つけやすくなるこの植物をご存知でしょうか。

ヤドリギ

▲これはたくさん付き過ぎですが、この真ん丸のもの。

ヤドリギ

▲今日はこのヤドリギがテーマです。

漢字で書くと「宿木」。文字からなんとなく分かると思いますが、他の樹木の上に根を下ろして育つ半寄生植物(光合成はするけれど、水分や無機養分は寄生先の樹木に依存)です。

 

鳥の巣みたいな形が面白いので、この時期になるとついつい樹木を見上げて探してしまう植物ですが、春間近の季節になるとヤドリギにはたくさんのお客さんがやってきます。

ヒレンジャク

▲それがこの鳥、ヒレンジャク。

この何とも言えぬドヤ顔と、しゅしゅっと流れるように入る赤いラインが特徴です。

ヤドリギの実

▲ヒレンジャクの目当てはこのヤドリギの黄色い実。

ヒレンジャク

▲こうして狙いを定めて

ヒレンジャク

▲パクっと食べていきます。

ヒレンジャク

▲ヒレンジャクはこの実が大好きなので、こうして一つのヤドリギに何羽も群がって夢中にパクパク食べている様子が見られます。

ヒレンジャク

▲しばらく食べて満腹になると、近くの水場に行って水を飲み、近くで小休憩。すると・・・

ヒレンジャク

▲あっ、フン!!

 

この、「今まさにフンしてます」顔がたまらく好きな私ですが、じつはここにヤドリギとヒレンジャクの巧みで美味しい関係があります。

 

ヤドリギの実はネバネバした粘着質の果肉をしているので、フンをしてもこうして長―く伸びてなかなか切れることがありません。

ヤドリギの種

▲そして、それがうまいこと木の枝や幹に落ちると、ネバネバによってその場にくっつくことになります。

 

これでようやくなるほどっ!と、今日の本題に突入。(いつも長くてすみません。。。)

 

ヤドリギは、種から出した根を寄生先の樹木の枝や幹の内部に侵入させて、主に水分をゲットする作戦を立てているわけなのですが、それはいいとして出てくるのはこの疑問。

 

でもどうやって種を下ろすまでに幹から滑り落ちないでいられるのだろう。

ヒレンジャク

▲その答えが、このヒレンジャクのフンにあったというわけ。

 

ヤドリギはヒレンジャクに美味しい実を提供し、ヒレンジャクはヤドリギの種をフンとして遠くに運ぶ。

果肉のとれたネバネバの種が入ったフンは、そのまま寄生先の樹木の枝や幹にくっつき、その種から根が定着するまでくっつき続けるという仕組み。

うぅむなるほど。

ヤドリギとヒレンジャクのそうした美味しい関係がじつはそこにあったのですね。

ヒレンジャク

▲この顔を見ていると、ヒレンジャクはヤドリギのためなんて少しも考えていないのだろうなと思いつつ、それでも不思議とウィンウィンの関係になっている両者を見ていると、自然の進化の妙に感心させられます。

ヒレンジャク

▲この時のヒレンジャクの様子を見ていると、大体こうして横並びに休憩していることが多いのですが、これはきっと他の鳥がしたネバネバのフンにくっつかないようにしているのだろうなと思います。

ウィンウィンかどうかは知らないけれど、ネバネバだということは知っているんですね。

 

自然界というのは、知れば知るほど過酷な世界なので、ほら自然はこうして巧みに支えあって生きているんですよ!なんて言う気は全く起きないのですが、それでもやはりこの自然界における「関わり合いの仕方」というのは大変示唆に富んでいます。

どういうわけか、この世界は独り勝ちしては生き抜けないように設計されているようで、現存する生き物は何かしら互いに関わり合いながら生きています。

人間がいま直面している様々な困難も、考え出すと複雑で大変な問題ばかりですが、それぞれの困難の理由は本当はシンプル。

それは、ごくごく単純に「関わり合い」を否定したらどんな生き物もこの地球のルールでは生きていけないということ。食物連鎖の三角形から飛び出してしまうという離れ業を成し遂げた人間でさえ、そのルールからは逃れられないのだと思います。

 

大変だけど、関わり合う。

 

これ、じつは僕の今年の一大テーマです。

互いに忖度したり迎合しあうわけではなく、それぞれが自己実現を目指すなかで、互いに邪魔にならない形。

そういう風に色々な人と付き合っていけたらなぁと思っています。


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3 コメント

  1. watashinoniwa

    「美しい」関係と見るところに作者の願望を感じました。何が「美しい」のだろうかと思いながら探すように読み進みました。お互いを思いやれる人間関係を求めて、この鳥とヤドリギの関係に「美しい」関係を見たのだなあと思いました。途中に書かれているように、どちらも生きるのに必死だから、きっと相手のことを思ってと言うのはなくて、ヤドリギも必死で種を運ばせる技を研究したのだろうし、この鳥も他の種類の鳥にとられないようにヤドリギの身を食べて栄養にする技を開発したのだと思う。でも、人間のように、自分がより豊かに生きるために、人間を利用しようと考えるように、自分たち同士を利用しようとはきっと考えないだろうなと思う。

  2. 矢野明子

    矢野です。お久しぶりです。
    ヤドリギと連雀の関係は知っていましたが、糞にも秘密があったとは驚きました。びっくり
    ブログ拝見する度に、写真の美しさと説明文の楽しさに、思わず顔をほころばせています。
    佐渡でお会いするのを高宮さんと楽しみにしています。
    よろしくお願いします。

    • 鈴木純

      コメントどうもありがとうございます!
      このコメント欄の管理が出来ておらず、大変申し訳ありませんでした。

      ヤドリギとレンジャク、本当に面白いですよね。鳥のことが分かればもっと植物のことを理解できるようになるのになぁ、よし今年は鳥のことも勉強するぞ!と毎年思いつつなかなか手が出せていない私です…。

      佐渡でお会いできるの私も楽しみにしています!どうぞよろしくお願いいたします!

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