ついに見つけてしまいました。
3年前からあらゆる場所で探し続けていた日本の冬虫夏草。
▲これです。林床で全く目立たないので、見つけるのに3年もかかってしまいました。
えっ?これを探していたの?と思う方もいらっしゃると思いますが、今回のブログはこれからどんどんエスカレートしていきます。
人によっては気持ち悪いと感じる方もいると思いますので、虫の仲間やいわゆるゲテモノ系が苦手な方は、今回はここまでにすることをおすすめします。
怖いものみたさが勝る方は続きをどうぞ。
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冬虫夏草は地上部分だけ見ても何の話か分からないので、この赤い部分の地下を掘ってみます。(※今回は、某演習林にいましたのご心配なく)
▲地中から出てきたのは、なんとカメムシ!推定ヒメハサミツノカメムシです。
▲別角度から。どうもカメムシの右肩から赤い棒のようなものが出ているようす。
▲この部分。
冬虫夏草とは、昆虫ではなくキノコのこと。
昆虫に寄生したキノコが、虫の体を養分にして育ったもののことを言います。
中国の漢方薬として有名ですが、「冬は虫だけど夏は草になるもの」と昔の人が勘違いしていたことからこの名前が付けられたのだそうです。
実際はこの時点ではもう虫は死んでいて、すっかり次の子孫を残す状態になっています。
これはカメムシに寄生したキノコなので「カメムシタケ」。
本当に見れば見るほど奇妙。自然の世界の恐ろしさと面白さを同時に感じます。
憧れの日本の冬虫夏草を見れたところで、ふぅもう満足である。と思ったのも束の間。
▲なにやら違う色をした冬虫夏草を仲間が発見。
薄学なぼくは、あぁまたカメムシタケか。さっき掘り起こしたからこれはそうっとしといてやろうと思い素通り。
すると後方から聞こえてきた、仲間の歓声。むむっ、なんだ?と思って戻ってみると
▲なんと今度は、ハチに寄生した冬虫夏草「ハチタケ」!
違うキノコだったのかきみは!そういえば色が全く違うものね。
▲ハチ。寄生された虫はこうしてミイラ状態になってしまうみたい。
いやぁ凄い。なんと2種類も冬虫夏草を見てしまったよ。
と、またもや満足してしまった僕が馬鹿でした。
▲がーーーん!!!なんだこれはー!!!!!
▲な、なんという圧倒的な見た目。
きっとこれも冬虫夏草。成虫だけじゃなくて幼虫にも寄生するのね、あなたは…。
さっそく図鑑を調べるも、残念ながらこれに近い冬虫夏草は見つからず同定不能。(どなたか分かる方いらっしゃれば教えてください。)
いやぁ凄い。なんて面白いものを見てしまったんだろう。
あまり世間では認知されていないけど、じつは日本に300種類以上いると言われる冬虫夏草の仲間たち。
特別に深い森に行かなくても、多少自然度の高い湿った林床であれば都心の公園でも見られるそうです。
普段気付かないだけで、本当は近くにあるのかもしれない奇妙で面白い自然。
もっともっと知りたいなと思った一日でした。