まちの植物はともだち

ナルシストなスイセンの花

寒い!

5か月前はあんなに暑い~!!と言っていたのに、すっかり寒くなりました。

冬は咲く花が少なくなりますが、そんな中でもこの時期華麗に路上で咲き誇っているものと言えば…

▲この花!

あ、あれ。まだつぼみだ。

▲こいつだ!

…いや、これはさっきのより更に固いつぼみだ。

▲う~ん…もうちょい!

▲お、おしい!!

▲あった~!!

絶対咲いてるはずなのに、意外と見つけるのに時間がかかったこの花の名前は「スイセン」!

スイセンにも色々な種類がありますが、これは時によってニホンズイセンと呼ばれるもので、路上で雑草化しているのはだいたいこれです。

寒い季節に咲く数少ない花なので、これは有難い。といつも通り近付いていくと

▲スイセンって身近過ぎてあまり近くで見ないけど、結構面白い形をしてますよね。

▲一番の面白ポイントはここ!この黄色の部分が

▲切れ込みのない筒になっているところ!(副花冠といいます)

これ一体なんのためなんだろう。意味あるのかなぁ。としばらく考えたのだけど、よいアイデアが思い浮かばず…。いやはやこれは今年も植物の奥深さに翻弄される1年になりそうです。

と、そんな感じで眺めていたら、なんか結構気に入ってきた!

▲かっこいいね!スイセン。後ろ姿もしゅっとして爽やかだよ!

スイセンは漢字で書くと「水仙」。もともと中国からきたもので、「水中にある仙人」に見立てて「水仙」と名付けられたのだと言われています。

昔の人も、それくらいの気品をスイセンに感じたというわけですね。

名前の由来を知ることって、その花の理解に繋がることが多くて、例えばスイセンの場合は学名だって興味深い。

スイセンの学名は、Narcissus tazetta var. chinensis

あっ!難しい話はしませんよ。いきなり横文字が出てくるとビックリしますよね。ただただこの意味は何かというだけの話をしたいんですが、属名を指すNarcissusは、かの有名なギリシャ神話の「ナルキッソス」のこと。

そうです。あの、水にうつった自分に自分で恋をしてしまった若者の名前で、ナルキッソスは叶わぬ恋をしたまま花になってしまったと言われており、その神話がそのままこのスイセン属をあらわす学名として使われたのだとか。

それくらい美しいからという理由や、花の咲き方が水を覗き込んでいるようなのでという理由など諸説ありですが、昔の人がどのように植物を見ていたのかが、名前の由来を知ると垣間見えてきます。

▲よっ!スイセン綺麗だね!

この季節に咲いてくれて、植物観察家としては本当にありがたいよ。ぼくはあなたをナルシストとは言わないよ。ちゃんと綺麗だよ!

 

**冬の観察会やってます!どちも残席ありまくり!**

2019.01.26

浦和の鍼灸治療院・エルバホームさん企画の植物観察会。

植物の冬越しの様子を楽しみたいと思っています。

詳細:https://www.facebook.com/events/295747337809355/

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2019.01.27

久しぶりに自分で自分の観察会を企画しました。
ホームグランドの国分寺にて、まちなかの冬芽探索隊やります!

詳細:https://www.facebook.com/events/2735423470015374/