野草の中では、わりと知名度の高いカタバミという植物。
▲こんな黄色い花が咲きます。その隣のハート型の葉っぱが3つつく形が特徴ですね。(ちなみに、クローバーは葉っぱの形がハートではなく丸です)。
※はじめに詳しい方へ注:このブログは同定を目的としていないので、ここから先、カタバミやオッタチカタバミ、アカカタバミ、ウスアカカタバミなどが登場しますが、その性質は同じなので、すべて広義のカタバミとしてご紹介します)
このカタバミ、個人的にとってもお世話になっている植物で、はじめていく観察会では必ずといっていいほど登場していただいています。
▲このように。
おもむろに10円玉を取り出して、その上に葉っぱを乗せて、汁が出るくらい強くこすりつけると…
▲はいっ!ぴっかぴか!
カタバミの仲間には「シュウ酸」という物質が多く含まれているので、その酸が10円玉を綺麗にしてくれるというわけで、それではシュウ酸を多く含む理由はというと、虫に葉っぱを食べられないように全草をすっぱくしているというのが定説です。
植物が色々な方法で身を守っていることを知ることが出来る、とっても分かりやすい実験でございます。カタバミさん、いつもありがとうございます。
▲そして、花が咲き終わると、このようにぷっくらと実が伸びてきます。
▲日に透かすとこんなにいっぱい種が!
これくらいの大きさに熟してきたら、ここでまたまた実験。
この実を指でつまむと・・・
▲あれ!種がどこかにいった!
という現象が起きるのですが、ちょっと言葉と写真では説明しにくいので、動画を載せてみます。
▲熟した実を指でつまむと、プチプチプチっと種が四方八方に飛んで行ったのが見えたでしょうか?
とっても不思議な現象ですが、これまたなかなか面白いので観察会で重宝しています。
▲この仕組みのヒントはこれ。茶色い種と、白いものがあります。
じつはこの白いものは、もともと茶色い種にかぶさっていた部分で、熟した種に外的な刺激が起きると、この白い部分が一瞬でひっくり返り、なかの種が飛んでいくという仕組みになっているのだとか!
自分で種を飛ばすことが出来れば、誰かにくっついたり鳥に食べてもらわなくても済みますからね。
という風に、あの手この手で僕たちを喜ばせてくれるカタバミですが、じつはぼく、新たに見つけてしまいました。
これからの季節、カタバミを楽しむには葉でも種でもなく…
▲これ!芽生え!
このかわいさ、写真だと伝わりにくいので、定規と一緒に撮ってみました。
▲目盛りは1つで1mmです。
リアルに想像してみていただきたくと、その小ささに驚かれることと思います。
ほんの5mm足らずの大きさの芽生え。これ実際に見ると思わず声が出る可愛さなんです。
▲凄いですねぇ。
▲がんばれ!芽生え!
もう本当に悶絶ものの可愛さなので、是非だれかと共有したいこの気持ち!
秋~冬は知られざる芽生えの季節。こりゃ今年は冬芽観察に芽生え観察も追加しないとな。
ちなみに、最近見つけた芽生えシリーズとしては
▲ホトケノザ
▲アメリカフウロ
▲タネツケバナの仲間
この、子葉から葉の特徴が現れてくるのがとっても面白い。やばい、ぼく絶対今期これはまる・・・。