まちの植物はともだち

2週間でここまで変わる ムベの華麗な変身術

春は植物が変化するスピードが速いので、定点観察をするにはもってこいの季節。

葉っぱが出てくるところや、花が出てくるところは見ていて単純に面白いし、植物を知るにはとっても有用な手段です。

ということで今日の植物は、2週間前からずっと横目で見ていた「ムベ」のこと。

▲この植物が、2週間のうちに・・・

▲こんな様子に!

いやぁ驚きですね。本当に同じ植物なのかってくらいに違いますね。

▲ムベは、こういう葉っぱをしていて

▲秋にはこんな実をつける植物。「アケビ」の仲間ですと言ったら分かりやすいでしょうか。

なんでか分からないんですが、意外と垣根なんかに使われていることがあるこのムベ。

例によってあまり見向きもされていませんが、じつはこの季節に観察すると非常に観察がいのある植物なんです。

▲これがつぼみ。

▲探すとたくさん見つかります。

▲このつぼみから、ある日ポンっと葉っぱが出てきます。

▲つる植物なので、こうグワァ~!っと勢いよく

▲どんどん伸びていきます。

▲若い葉っぱ。

▲なんだか小さくて可愛いですねぇ。

▲なにせ、大人になるとこれですからね。

▲出るわ出るわ。新芽の狂乱です。

▲そうこうしている内に、ちょっと違うものが目に入ってきました。

▲おっ、これはもしかして花のつぼみか??

という疑問を抱えたまま1週間後にまた同じ場所にやってくると

▲花が咲いていました!

▲じゃ~ん!

これなんですねぇ。これが定点観察の面白さなんです。

この写真はずっと同じ場所で撮っているんですけど、はじめてこの場所にムベがあることに気が付いてから、じつに2週間ほどで「芽から葉が出て、花が咲く」までを楽しむことが出来ました。

▲こうして見ていると、そうかぁムベは一つのつぼみの中に「葉っぱ」も「つる」も「花」も全部入っていたのかぁ。凄いなぁ。なんてことが分かってくるんですね。

ちなみに、ムベは雌雄同株と言って、一つの株の中に雄の花と、雌の花がそれぞれ咲いています。

せっかくなのでこれも探してみよう。

▲これが雄花。白い花粉が出ている雄しべが中央部に合着して一つになっているように見えますが、じつは6つの雄しべがあるそうです。

▲そしてこっちが柱頭がのぞく雌花。フレッシュですねぇ。柱頭はこうして花粉をキャッチしやすいように少し湿っています。

▲これが

▲2週間でこうなると。

いやぁいいですね。もう理屈抜きに楽しいです。

ただ通りを歩いているだけで、うぉー!出てきてる出てきてる!!!と楽しむことが出来る春、最高です。

去年はネタがありながら時間が足りず書けなかった植物たちが多くありましたが、今年はどこまで書けるでしょうか。

春とのスピード勝負はまだ始まったばかり!