まちの植物はともだち

涼しさを求めて ムラサキツユクサの細胞を探す

今日も「あついなぁ!」と思っている皆様に、今まちなかで見られる植物のなかで一番涼やかに感じられるだろう植物をご紹介します(※僕調べです)。

▲ほら!涼しい!!

いやぁ涼しいなこの見た目。

▲この何とも言えぬ作り。どうですか。涼しさが伝わってきませんか?

 

…はい、すみません分かります。全然涼しくないし、これが何なのか分からないですよね。ただでさえ暑いのにふざけたこと言ってすみません。どれもこれも暑さのせいです。

さて、気を取り直して、一体これが何の植物かと言うと

▲こんな立ち姿をしていて

▲こんな花を咲かせる

▲ムラサキツユクサでした!

ツユクサにも色々な種類があって、前に紹介したことがあるのは普通の青い「ツユクサ」

他にも白いトキワツユクサや、葉っぱが深い紫色をしたムラサキゴテンなど、まちなかでも様々なツユクサの仲間を見ることが出来ます。

ところで、普通の「ツユクサ」の花のおしべはこんな感じでした。

▲ね。おしべがスラっと伸びています。

それでは、今日見ているムラサキツユクサのおしべはどうなっているかというと

▲なんと、おしべに毛が生えているんです!

▲もう一回引きで見てみます。本当に花の中にこの凄い部分があることをお分かりいただけますでしょうか。

▲もう一回アップ。それで更に近付くと

▲こんな様子になっていると。

朝起きてすぐにムラサキツユクサを探してまちを歩きまわり「いやぁ涼しいねぇ。あんは涼しいよ」とブツブツ言いながら汗だくで写真を撮る男。それが最近の私です。

でもですね、じつはこの花は皆さんのなかでも見たことがある人が多いはずです。

なぜかというと、「原形質流動」の観察のために中学校の理科で顕微鏡を使ってこの花の細胞を見たことがある方がいるはずだからです。

ゲンケイシツリュウドウ・・・

ムラサキツユクサ・・・

ケンビキョウ・・・

アツイ・・・

この暑いのに、もう遥かかなたに忘れ去っていた中学校生物の話を持ち出してきてすみません。

原形質流動とは、一つの細胞の中でその中の物質が動く様子のことを言います。それを観察するには、ムラサキツユクサの雄しべの毛が適当だということで、よく理科の実験で使われています(なので結構学校の周辺とかで見ることが多いですね)。

▲ということで、この毛の中にひとつひとつに節みたいのが付いているのが分かるでしょうか。

▲この一つ一つが細胞だということです。

さぁここで、お決まりの「だからなに?」という声が聞こえてくる気がしますが、ルーペでも細胞が見えるっていうのちょっと面白くないですか。

動物も植物も、近付ていてみれば一つ一つの細胞の組み合わせで出来ています。自分の体をバラバラにした時の最少の単位が細胞です。

要するに、この小さな小さな積み重ねによって大きな生命体と複雑な生き方が出来るようになっているということで、僕はこの小さな細胞を見ると何とも言えぬ生物の凄さみたいなものを感じるわけです。

▲でも今日はもしかしたら暑さのせいで、よりそう感じているだけかもしれません…。

さて、あついあついと連呼していますが、最後にそれではなぜこのムラサキツユクサはおしべに毛が生えているのでしょうか。

正解は・・・じつはまだ分かっていないそうです!

そういうことが植物の世界ではまだまだたくさんあるんですね。なのでそういう場合は自分で勝手に想像してみます。

簡単に考えつくところでいえば、毛が生えていることによってより目立つようになる(虫の目から見て)。あるいは毛をはやすことによって、おしべを強化している。というところでしょうか。

決して僕を喜ばすためにというわけではないということだけは、朦朧とした頭でもギリギリ分かった今日の朝活でした。

まだまだ暑い日が続くようです。皆様くれぐれも体調管理には気をつけておすごしください。やれやれ、こりゃ植物観察も大変だ。