まちの植物はともだち

カラスノエンドウの種子から、変化を見ることの楽しさを思う(ヤハズエンドウ)

すっかり夏めいてきて、外で植物を見れば少し汗ばむ季節になりました。

春の忙しい時期が過ぎたので少しゆっくり出来るかしら…と思ったら大間違いなのが植物の世界。

なぜなら春に咲いていた花が、そろそろ実を結び種になる季節だからです。

▲ということで今日はこれ。

自然界のマメ。どこにでも生えているカラスノエンドウです。

そんないきなりマメの写真見せられても、という方のために春の様子を。

▲3月下旬撮影のカラスノエンドウ。

ごく身近な野草なので、春に見たことがある方も多いはず。ピンクと赤の花が綺麗で、葉っぱのデザインもシンプルかつスマートです。

この花も季節が進めばその姿を変えて、緑色の実となります。

▲4月下旬撮影。随分様子が変わりました。

花の状態は目立つけど、実になると急に認知度が下がるカラスノエンドウ。

そしてまた季節が進むと、カラスノエンドウはさらに違う姿を見せてくれます。

▲昨日(5/28)撮影。黒くなりました。

▲中を開けると、カラスノエンドウのマメ!

▲近づいてみるとまだら模様でこれまた面白いデザイン。

自然状態では下の写真のようになった空っぽの莢をよく見かけます。

▲黒い莢がねじれて、中の種はもうありません。

カラスノエンドウの実は熟して黒くなると、簡単な振動で上の写真のように莢がねじれてパンっとはじけます。その際の振動で種を遠くまで飛ばすのがカラスノエンドウの方法。

形も面白いし、自力で種を遠くまで飛ばす仕組みも凄い。厳しい自然界で生きていくための工夫がここにもありました。

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植物の楽しさの一つは「変化」を目撃出来ること。

変わらないように見える毎日の中でも、カラスノエンドウは花を実に変え種を飛ばし、着実に次の世代に命を繋いでいる。

自分や周りの環境が変化すると不安を感じたり戸惑ったりするけれど、「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にはあらず」なこの世界で、変化し続けていくことこそが生きていることの証であることも本当は分かっている。

ほんの些細なことで気持ちが揺らいでしまう弱い毎日の中で、変化することを躊躇しない自然の姿にはいつも勇気をもらう。

どうして植物を見ているの?と聞かれると、「自分のため」としか答えようがないかもな。