日本の花と言うと、何故だかちょっと小さかったり地味だったりというイメージがありますが(僕は結構それが好きなのですが。つつましくて)、じつは中には「えっ!こんな花が日本に野生であるの!?」と驚くものもあります。
▲おそらくヤマユリの花はその筆頭選手。
▲直径20~25センチほどの大きさで、近づくとなかなかに迫力があります。
▲有無を言わせぬ美しさ。遠くからでもふわっと甘い香りが漂ってきます。
いつも植物の細かい話を嬉々として書いていますが、ヤマユリに関してはあまりそういう気持ちになりません。たぶん問答無用の美しさだからでしょうか。
ヤマユリは日本の固有種で、東北~近畿地方まで分布している植物。意外と分布は広いですし、東京でもわりと身近で見られる場所があります。
こんなに目立って綺麗なのに、この花の名前を知るまではどこに咲いているか気にもならなかったのが不思議。
名前を知るっていうことは本当に重要なことなんだなぁと思います。
▲つぼみも大きい。
▲世界でも最大級のユリの花だそうです。
花がとっても大きいので、ハチなどの小型の昆虫が来ても花粉媒介には役にたたないのだとか。
▲花が大きいと、雌しべと雄しべを観察するのも容易。柱頭は花粉をつけるために少し湿っているんですね。
小型の虫では花粉を運べないということで、恐らくアゲハチョウなどの羽を広げると大きくなるものが花粉を運んでいるのではないかと言われています。
▲そう聞いて、じつはユリの花でちょっと気になっていたことを思い出しました。
ヤマユリのこの赤い斑点、これを良く見ると
▲ただ色が付いているだけではなくて、ちょっとした突起になっているんです。
これ、もしやチョウのための足場なのかしら。
むむむ。なんだか美しさにやられてしまってあまりちゃんと観察できなかったけれどまだまだ研究のしがいがありそうだ。
じつは高校生の時に使っていた通学路に点々と生えているこの花。なんであの時は知らなかったんだろう。もったいないことしたな。
こういう素晴らしい花が日本にあるということは、もっと広く知られてもいいのになと思います。
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