梅雨の時期、ちょうど雨が降るかのように咲き乱れるのが…
▲マテバシイの花。今年もシャワーみたいに咲いています。
▲こんな感じで、ツンツン上に向かって伸びているのがマテバシイの花。
さてさて、これはどんな作りになっているのかなと、いつものように近付いてみると…
▲こんな感じでした。
あれ、何か見覚えのあるものがついていませんか?右下に。
▲よく見えないと思うので、もっと近寄ります。
あれあれ、もしかしてこれドングリ? そう、みんな大好きドングリ!
マテバシイと言えば、まちなかで出会えるドングリの中でも縦長の形で大きなサイズのもの。多分イメージ通りのドングリといえばこれ。という方が多いと思います。(ドングリの写真は過去に撮ってなかったみたいなので、この秋に撮ってきます!)
▲えぇ~、でもこの花からドングリが出来るなんてちょっとイメージと違うんだけど。という方いらっしゃいますでしょうか。
必ずいると思うので続けます。
▲もう一度同じ写真。ここなんですが、よぉく見ると、花にも2種類あるんです。
▲花穂(長い軸に小さな花がたくさん咲くもの)全体が白くフサフサになっているものと、1本の花穂の中で上部だけ花が咲き、下部には花が咲いていないもの。
▲こちらは、全体フサフサ君。
▲アップにすると分かりますが、小さな花がたくさんです。雄しべばかりで雌しべが無いので、これは「雄花穂」。
▲続いて、上部はフサフサ、下部はスカスカ君。
▲近付くとこんな感じ。右側の部分はさっきと同じで小さな雄花たち。
▲左側のスカスカの部分をよく見ると、プチっと出っ張っている部分がありました。じつはこれがマテバシイの「雌」の花。
と、いうことはこれが大きくなると
▲こうしてドングリの形に近付いていくというわけか。
でも、ちょっとこの雌花の大きさと、ドングリに成りかけの状態、いくらなんでも大きさが違い過ぎない?そんなに一気に成長するものなのかしら。
と、思った方がいてもいなくても、次の写真にどうぞご注目。
▲そう、じつは今比較した部分は、そのお年が違うんです。
▲これは今咲きたての雌花。
▲こっちは、去年の6月に咲いた雌花が受粉して大きくなってきたもの。
つまりマテバシイのドングリは、花を咲かせたその年に大きく熟すのではなく、2年かけてじっくり大きくなっているのだというわけでした。
ふむふむ、植物も本当に様々だなぁ。
ちなみに、一口にドングリと言っても、じつはその定義やら何やらその見解をまとめるのは意外に難しい複雑な括りです。
マテバシイのように2年かけて大きくなるドングリとしては、クヌギやスダジイなど。1年で大きくなるドングリとしてはシラカシやコナラ、ブナ、クリ(ここら辺をドングリとして括るべきかどうか…)。
本気で観察しようと思うと、なかなかに掘りがいのあるテーマです。
皆さんもよろしければ、ひとまずお近くに必ずあるマテバシイから観察してみてください。
今年はドングリ研究をはじめたいと思っている私です。