自然の流れを形にするシモバシラの氷華

おぉ寒い寒い。

凍てつく空気、かじかむ手ときたら、ぼちぼちやってくるのは「シモバシラ」の季節。

▲これ!

▲何度見ても美しいなぁ。

と、いきなり写真をお見せしてもなんのことやらさっぱりという方もいらっしゃると思うので、改めてご説明。

今日ご紹介したいのは

▲この霜柱ではなく

▲夏にはこういう花を咲かせる「シモバシラ」という名前の植物です。

この植物は9~10月に花を咲かせたあと、年の瀬にまた美しい姿を見せてくれます。

▲それがこの、真冬に咲く氷の花。これを見に行くのが僕の毎冬の楽しみです。

写真だと分かりづらいかも知れませんが、この白い綿菓子みたいなものは、言葉通り本当に「氷」です。

▲凍ってます。

冬になるとシモバシラは枯れたように見えますが、じつは根っこの組織はまだ生きているので、地中から水分をぐんぐん吸い上げていきます。

水分は根から茎を通って地上部にあがっていきますが、地上部の茎はすでに枯れているので、壊れた組織から水分がもれでてしまう。

その時の気温が氷点下だと、しみでた水分が凍って、氷の花が出来るというのがこの現象の簡単な仕組み。

▲この見た目に惹きつけられる人は多く、シモバシラは冬の人気者です。

しかし、この氷の花が咲く条件はなかなかに厳しく、いつでも見られるというわけではありません。

・早朝の気温が氷点下まで下がり

・雨や雪が降らず

・風が穏やかで

・あまり乾燥していない

という諸条件が揃った時にようやく現れるちょっと貴重な現象です。

▲まさに自然の芸術。

▲1月中下旬になると地上部の茎がどんどん壊れていくため、うまく水分が凍らなくなります。出会える期間も限られているんですね。

ぼくも毎冬これを楽しみに、都内某所へ出かけますが、大体50%ほどの確率で見れたり見れなかったりという感じ。

▲とっても微妙な条件のもとに発生するシモバシラは、その生えている場所や風向き、強さなど、私たちの目には見えない自然の流れに大きく影響を受けます。

上の写真なんかは多分右から左へ風が流れていたんだろうな。

▲上から見たところ。

自然の流れを見ることが出来るという意味でもとっても貴重な機会だと思います。

この現象、是非見てもらいたいのですが、自生地は紹介できないので、公園で公開している場所のリンクを2ヵ所だけ最後に貼っておきます。

シモバシラの本格的なシーズンはまさにこれから!今年は良い状態のものに出会えるだろうか。

▲それにしても綺麗だ。

 

シモバシラ見れるかも情報

→国営昭和記念公園

→赤塚植物園

→小田原フラワーガーデン(後輩から、うちでも見れますよと連絡があったので追加しました。2017/12/26更新)

ちなみに、シモバシラ!とまとめて表現していますが、この現象が起きるのは「シモバシラ」だけでなくヒキオコシやカシワバハグマと言った植物にも見られます。今日出した写真も、いろいろな植物に出てきたシモバシラです。

今回のテーマは何のカテゴリーに入れようかなと悩みましたが、地上部は枯れても根っこは生きているという話なので、根っこの話にいれました。


(スポンサードリンク)

← 過去の投稿へ

次の投稿へ →

1 コメント

  1. watashinoniwa

    素晴らしい。こちらは温かく、乾燥気味な土地なので、見るのは難しいでしょうけれど、早起きの大きな動機付けになりそうです。

コメントを残す