ブログを始めてから、まちなかや近くの公園でも見られる植物の紹介ばかり続いたので、たまには野山のことも書いてみようかしらと。
というのも、野山ではこの花が咲き始めたからです。
▲いつ見ても凄い見た目のギンリョウソウ。漢字で書くと「銀竜草」、銀の竜のような草です。
日本各地で見られる植物なので、今となっては野山で見つけても驚かなくなってしまいましたが、はじめて見たときには心の底から驚きました。
なにせこの見た目ですからね。
▲もはや説明不要の奇妙奇天烈さ。
▲もう一枚。奇妙を通りこして綺麗に見えてきました。
予期せずこの植物と対面した時、こんな植物があったなんて!!と脳天に雷が落ちたのを覚えています。
見た目が変わっていればその生き方も変わっているギンリョウソウ。なんとこの植物は「光合成をしない」で生きているのだとか。
かつて生物の先生になりたくて、教員免許まで取得したことのある僕。植物というのは二酸化炭素と水を太陽の光によって酸素とデンプンなどに変える「光合成」をするものだと思っていました。
要するに自分が生きるためのエネルギーを自ら作り出せるのが植物だと。
だけど見てください。ギンリョウソウのこの色この形。
▲どこをどう見ても「白」。葉らしきものもないし、光を集める気ゼロです。
別名をユウレイタケともいうそうですが、確かに地中から現れた幽霊のように見えます。
▲上から見た様子。
光合成をしないでどうやって生きているのかというと、その秘密は根っこにあるそうです。
植物の中には、地中にいる菌と根っこが共生関係を結んでいるものがあり、植物は菌に光合成で得た栄養を与え、菌は植物に地中の栄養素を与えるというウィンウィンの関係を築いていることがあります。
しかしギンリョウソウは進化の過程で自ら光合成をすることを放棄し、自分からは菌類に栄養を与えないのに、菌類からは栄養をもらうという生き方をしているのだそうです。
▲光合成をしないので、他の草本のように葉っぱを必要としません。葉緑素もいらないので一風変わった見た目になったようです。
かなり簡単に書いたので、気になる方は「ギンリョウソウ 菌従属栄養植物」でネット検索をしてみてください。植物の進化についてなど面白い話がたくさん出てきます。
それにしても本当に様々な生き方がある植物の世界。これじゃあ学校の先生もヘタなこと言えないから大変だなと思います。
でもなんとかギンリョウソウの植物らしい部分を見つけたい!と思った僕。かつて撮った写真を色々見返していたら、ありましたありました。
▲雄しべ!(観察のために剥いたのではなく、自然とこうなっていました)
白い糸のようなものの先に黄色い葯がついている部分が雄しべです。
変な植物ギンリョウソウも、雄しべと雌しべで受粉をし子孫を残していきます。
▲別カットで。真ん中の薄い青(グレー?)色の部分は雌しべ。
良かった。繁殖方法は他の植物と同じだ。とほっと一息ついたところで、最後に地面から出たてのギンリョウソウの写真を。
こんなものが地中からにょきにょき出てくるなんて…。
ううむ。やっぱり奇妙な植物だな…。
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