植物は、名前も面白い。

たとえば、ハゼラン、ハナビグサ、サンジカ、ヨジカ、マチバリソウ。

この5つの名前は、じつは今まちなかで咲き始めた「1つ」の植物を指しています。

ハゼランの花

▲それがこれ。「ハゼラン」です。

紫色の花弁に黄色の雄しべがとっても綺麗な花。

たしかにその名前の通り「爆(は)ぜるように」咲いています。

そして、またの名を「ハナビグサ」。花火がパチパチなってる印象ですね。

こうしてアップで見ると綺麗なんだけど、実際の大きさとしては

ハゼランの花

▲これくらい小さい花なので、巷では残念ながら認知度が低い植物。

熱帯アメリカ原産の帰化植物で、この時期はまちなかで結構たくさん咲いています。

(知っていればたくさん見かけるのに、知らないと全く気付かないことって植物に限らずたくさんありますよね。)

直径5ミリ足らずの小さな花を見て、「花火みたいだなぁ」とか「はじけるように咲いているなぁ」と昔の人が思ったというのだから、その観察眼は素晴らしいものだなと思います。

さて、続いてまたの名を「サンジカ」。

ハゼランのつぼみ

▲じつはこの花、朝見るとこうしてつぼみの状態なのに、15時を過ぎるといきなり花を咲かせることで知られています。

ハゼランの花

▲15時。本当に咲いてびっくり。

言うまでもなく三時に咲くから「サンジカ」です。

そんな話をしていたら、西日本にお住まいの方から「うちの方では『ヨジカ』と呼ぶ」という話を教えてもらいました。

言うまでもなく、その地域では四時に花が開くのだそうです。

ところ変われば呼び方も変わる植物。うぅむ面白い。

さらにさらにもう一つ。

マチバリソウ

▲「マチバリソウ」。つぼみの状態が待ち針に似ているからという意見もあるけれど、僕はこの中央の赤い実が待ち針に似ているからだと思っています。

ハゼラン、ハナビグサ、サンジカ、ヨジカ、マチバリソウ。

こうして、一つの植物でもこんなに多くの名前がつけられているのを知ると、より植物を近く感じられる上に、昔の人と植物の関係の深さが少しだけイメージ出来るようになります。

和名の語源を調べてみるのも、植物の楽しみ方のひとつだなぁと道路にかがみこみながら思いました。

ところでこのハゼラン、探してみると本当に身近にありますので、前回エントリーのネジバナ同様、ぜひお近くで探してみてください◎


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