花の中には、どうしたものかちゃんと時間を分かっているものがあります。

オシロイバナの花

▲オシロイバナは、そんな花のうちのひとつ。

一般的によく知られた花ですが、時間を追って観察してみるとなかなかに観察しがいのある植物です。

早速ですが、順番に見て行きます。

(※さすがに僕も同じ花を一日中見ているわけにはいかないので、この1週間ほどかけて地道に時間を変えて観察しました。花の色がコロコロ変わりますが、悪しからず。)

オシロイバナの花

▲まずは15時。開花直前のつぼみ。

オシロイバナの花

▲これが16時になると開きます。時間通りでした。

どうやって時間を知っているのだろう。不思議。

オシロイバナの花

▲開花直後の雄しべと雌しべ。くるくる丸まっています。

オシロイバナの花

▲この雄しべと雌しべが少しづつ伸びていきます。

オシロイバナの花

▲だんだん伸びてきました。

この時はまだ雄しべの葯(花粉が入っているところ)は開いていません。

オシロイバナの花

▲18時30分ころ。葯が少しづつ開き始めます。

オシロイバナの花

▲アップ。左下が雌しべの柱頭。それ以外は雄しべ。

葯の中の花粉が出てきているのが見えるでしょうか。(黄色いつぶつぶが花粉)

オシロイバナの花

▲雄しべと雌しべが伸びきった18時30分くらいのこの状態が、オシロイバナがまさに咲いている時。

さて、この花を翌日の朝に見にいってみると…

オシロイバナの花

▲朝8時。しぼんでいました。

オシロイバナの花

▲この時に雄しべと雌しべをのぞくと、またこうしてクルクル丸まっています。

オシロイバナの花

▲雄しべと雌しべが一緒くた。

オシロイバナの花

▲少々分かりづらいですが、黄色いつぶつぶは花粉で、真ん中にある赤いぶつぶつのものが雌しべの柱頭。

雌しべの柱頭に、黄色い花粉がついているのが見えます。

オシロイバナの花

▲そして朝9時にはすっかり閉じてしまいました。

このようにして、夕方に開いて翌日の朝には閉じてしまうのがオシロイバナの生活。

さて、面白いのはここから。

じつは、上にあげた写真の中にオシロイバナの戦略が詰まっています。

同じ写真になりますが、また順を追って改めてご紹介。

オシロイバナの花

▲オシロイバナはスズメガという蛾に花粉を運んでもらっている植物なので、夜のうちに花を咲かせます(スズメガは夜行性)。

ただ、困ったことに街中ではスズメガが来ることは稀なのだそうで、せっかく夜に咲いても受粉出来ないオシロイバナが出てしまうそうです。

そこでオシロイバナは考えた(…かどうかは知りませんが)。

スズメガが駄目だったら、自分で受粉しよう。

オシロイバナの花

▲ということで、翌朝になると自ら雄しべと雌しべをクルクルとまいて、自分の雄しべの花粉を、自分の雌しべの柱頭につけるのだとか。

上の写真をよく見ると、確かに真ん中の柱頭(赤いブツブツがある部分)に黄色い花粉がくっついています。

こうすれば、夜はスズメガによる他の花との受粉を目指し、それが駄目なら翌朝に自分の花の中で受粉をするという2段構えの戦略をとっているのだそうです。

子孫を残すためですからね。オシロイバナもなかなかよく出来た仕組みで生きています。

ふむふむ、身近なオシロイバナだってなかなか観察のしがいがあるもんだ。

むしろ知っていると思っている身近な植物だからこそ、よく見ると驚きが詰まっているとも言えます。

最後におまけ。

オシロイバナの種

▲オシロイバナの種。

オシロイバナの種

▲2つに割ると中から白いものがでてきます。

オシロイバナの種

▲白い部分を割ると中に詰まっているのは、やっぱり白い胚乳。

オシロイバナの種

▲この白い粉を肌にこすりつけると、白くお化粧することができます。

勘の良い方はもう分かったかもしれませんが、これがオシロイバナの名前の由来。

白粉(おしろい)みたいな粉が種子に入ってるからオシロイバナなんですね。

まちなかでオシロイバナを見ているだけで、こんなに観察が出来てしまう。植物はやっぱり奥が深い。

そういえば、前にご紹介したツユクサも、自家受粉と他家受粉の2種類の受粉方法を持っている植物でした。

→ツユクサの3種類の雄しべと、2種類の受粉の方法

それから、時間通りに花を咲かせる植物といえば、ハゼランの花。

→三時に咲くから「サンジカ」、爆ぜるように開くので「ハゼラン」、まち針みたいで「マチバリソウ」。

みんな、色々な生き方をしているのだなぁ。

ツユクサもハゼランも、まだどちらも街中で見つけることが出来るので、是非近くで探してみてください◎


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