ちょっと暑さが和らいだので、いまがチャンス!とまちへ飛び出してきました。
▲本日のお目当てはこいつ。
▲どこにでも生えてます。ご近所のアスファルトの隙間から「コニシキソウ」です。お相撲の小錦さんとは関係がなく、小さいニシキソウでコニシキソウ。
▲地味に地味を塗り重ねたような地味さですが、こいつは近付くと面白い系の植物で、この暑いアスファルトに顔を近づけてみると…
▲ほら!なんじゃこりゃ!
一体なにがどうなって、どれがどうなるのだろう。
▲先に書いておきますが、今日これから見ようと思っているものはとっっっても小さいです。
▲シャーペンの芯と比べて分かる、この小ささ。
もう小さ過ぎてちゃんと見る気が起きないので、観察会の時には「ほら、この葉っぱの付け根でごちゃごちゃしてるやつ、ここに花と実がくっついてるよ!」
なんて言ってお茶を濁し、それよりほら見て
▲これね、途中で折るとこうして白い液が出てくるんだよ。
▲乳液って言うんだけど、ネバネバしてるから虫が食べにくいんだよね。あと毒性があるよ。
ね、面白いでしょ。じゃ、次の植物見にいこうか。
とあまり突っ込まれないうちに次へ行くという植物なのですが、いつかちゃんと見ておかないとな。と思っておりました。
▲とにかく小さいですからね。しかも夏に咲くので、暑くってなかななか見ようという気も起きないってもんです。(さっきの写真、よく見たら芯に黄色い花粉が付いていました)
しかし今日は気合一発!ここら辺か?とまず写真を撮ってみる。
▲な、なにかが撮れた…。
なんだこれ。ただでさえ小さいのに、近付いてみても何が何だか分からないとはこれいかに。
一瞬で逃亡したい気持ちが襲ってきましたが、深呼吸して落ち着いて一つずつ見ていくことにしました。
▲まず、これが雌花。透明な柱頭が見えます。
▲これも雌花。3つに分かれた(さらにそれぞれが2つに分かれてる)柱頭の付け根にある黄色いカプセル。見えるかどうか心配ですが、これは蜜腺。
雌花があるということは、雄花もあるはずだ。どこだどこだ~?
▲見っけ!黄色い花粉が出てますからね。これが雄花で間違いない。
▲たぶんこれも雄花。まだ葯(←花粉が入ってる部分)が開いていない時だと思います。
あぁ、駄目だ。目が痛くなってきた。小さい。。。
▲となると、これは左が雌花で、右が雄花だな。
▲おっ! いいの発見!
雌花(左)と雄花(右)と、受粉した後の実!実には毛が生えているんだな。
▲よく見ると雄花(右)にも、花の付け根にだ円形をしたカプセルみたいな蜜腺を発見。
あとから調べたら、コニシキソウはアリに花粉を媒介してもらうらしく、雌花と雄花についてる蜜腺の蜜に寄せられて、花粉を運んでいるんだとか。
小さいけどちゃんと撮れててよかった…。蜜腺。
▲痛さを増す目頭を押さえながら、さらに発見してしまいました。
これ、多分コニシキソウの実が弾けたあとだと思います。
▲コニシキソウは、この実(上)が熟すると自然に弾けるようになっているそうで、この大きくなった実が弾けたあとがさっきの写真の様子。
さすがに弾ける様子を見ることは出来ないので、この小さい実のなかに本当に種が入っているのかだけ確かめてみることにしました。
▲コニシキソウの実を一つ失敬して、ピンセットを使いながら割ってみる。
▲出た!まだ未熟な種!!
▲凄いぞ。この小ささの中で、ちゃんと雄しべと雌しべと蜜腺と実と種と、その繁栄に必要なものが全部入っていたのね!
▲普段はこの地味さなんですけどね。いくらなんでも地味すぎるだろ。
▲いやぁ見直した!なんだか綺麗に見えてきた!凄いなコニシキソウ。乳液だけ見てお茶濁している場合では無かったよ。
▲夏の日の感動をありがとう!コニシキソウ!これからはちゃんと続きはWEBで作戦であなたのことを紹介するよ!
▲ちなみに、これがいつかの観察会でコニシキソウを見ている時の写真です。観察している様子も地味という、地味オン地味の地味三昧のコニシキソウ。
目が痛くなるのであまりお勧めできませんが、もし暇で暇でしょうがない日があったらチャレンジしてみてください。彼は必ず潜んでいます。そう、あなたのお家のすぐそばに・・・
ちなみに、この花の作りは「杯状花序」という聞き慣れない名前がついていて、トウダイグサ科の特徴となっています。
コニシキソウよりも、もう少し大きいショウジョウソウでその花の作りをよく観察してみましたので、こちらもあわせてどうぞ。
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